冨田萌衣によるログジャム・ニッチ・ノット
ログジャム・ニッチ・ノットは、初めに中井悠による「実験音楽における楽譜」についての講義を聞いて、歴史(音楽史)を語るという行為そのものが楽譜であり、歴史(音楽史)を語るひとが作曲家であり、そしてそこで語られた歴史において生まれた音楽の総体が曲なのではないかと考えたことをきっかけにして冨田萌衣により作られた、偽の人物である。
第12会議室テープとは、1992年8月にニュースクール大学の第12会議室にて何者かによって録音された7分間のテープである。(ニュースクール・テープ、ログジャム・テープとも)テープには三人の人物の作曲家や楽譜、音楽史についての会話が記録されている。三人の人物が一体誰であるのかについては今なお様々な議論が交わされているが、当時の学長Xと教授N、そして当時ニュースクール大学に勤務していたノットなのではないかと言われている。ノット研究をするうえでその解釈と位置づけが最も重要とされる資料である。本ページにはノット研究家のイワン・マトヴェーエチによる文字起こしを日本語訳したものを掲載する。
八坂健治(1942-2020)の手記から、ノットについての言及がなされた箇所が解読された。 晩年の八坂は言霊学への関心があったことが指摘されており、日本語の五十音表を用いた独自の方法を自らの実験音楽において実践したと言われる。この手記は発話者を人間に限定しないことに特徴をもつ八坂現霊学の試みとして「黒曜石の発話の聴取」が実行され、そのなかでノット(手記中ではログジャムと表記)の音楽史観についての八坂の言及がなされた、非常に貴重な資料である。
最近になってインターネット上に流出していることが発見された、ログジャム・ニッチ・ノットが指導学生だったジークフリード・ノイマンの博士課程進学に際して書いた推薦状の草稿と思わしき文書。その真偽は定かではないものの、この時期ノイマンがノットのもとで修士論文を完成したことは知られているほか、「physical/metaphysical」など当時のノットが多用していた対立概念が使われていることからもその信憑性は高いとされる。ノイマンが「妨害系」の研究を、(おそらくジャドソン・チャーチなどの流れを含む)ポストモダンダンスに接続しようと考えていたことを明かしているという意味では興味深い資料である。